七日目 日記
「……見てて面白いですか?」
「うん、良い手つきだよね」
装飾を加工する手を止めて語りかけた言葉に、彼はさらりと答えてきた。
あらかじめ答えを用意していたように。
見られていてはやりにくい。そう言い出すタイミングをなんとなく失う。
彼女はこっそりとため息を吐いて手を進め始める。
もともと彼の依頼の品なのだから、その出来を心配するのもわからなくはないが。
そういうものとは違った悪戯染みた視線を感じるのも確かだった。
「――僕はさ」
「はい?」
なんとなく集中しきれずに思考を廻していたところに言葉が注がれた。
半ば自動的に動いていた手元もまた止まる。
「出来上がったものよりも、その過程に興味があるんだ」
「はぁ」
「その結果に行き着くまでの諸々のこと、大切だよね」
「……だから見てるんですか?」
「うん」
なんとも言えずに無言で作業を進める。
程なくして出来上がったものを渡すと、無邪気に嬉しそうな顔を見せる。
闘牛士のようにヒラヒラと泳がせる動きを見ながら咳払いひとつ。
「問題はありませんか……これでいいんですよね?」
「もちろん、ありがとう。これでしばらくは戦えるよ」
「……構造的に磨耗が激しいので定期的に手をいれないといけませんね」
「世話になるね。細かいチェックだけでも自分でできるようにしとくよ」
AMCマント(Anti Magic Coating Mantle)を天蓋のように広げる。
細かく青く輝く星空がその中に内包されているようだった。
「うん、良い手つきだよね」
装飾を加工する手を止めて語りかけた言葉に、彼はさらりと答えてきた。
あらかじめ答えを用意していたように。
見られていてはやりにくい。そう言い出すタイミングをなんとなく失う。
彼女はこっそりとため息を吐いて手を進め始める。
もともと彼の依頼の品なのだから、その出来を心配するのもわからなくはないが。
そういうものとは違った悪戯染みた視線を感じるのも確かだった。
「――僕はさ」
「はい?」
なんとなく集中しきれずに思考を廻していたところに言葉が注がれた。
半ば自動的に動いていた手元もまた止まる。
「出来上がったものよりも、その過程に興味があるんだ」
「はぁ」
「その結果に行き着くまでの諸々のこと、大切だよね」
「……だから見てるんですか?」
「うん」
なんとも言えずに無言で作業を進める。
程なくして出来上がったものを渡すと、無邪気に嬉しそうな顔を見せる。
闘牛士のようにヒラヒラと泳がせる動きを見ながら咳払いひとつ。
「問題はありませんか……これでいいんですよね?」
「もちろん、ありがとう。これでしばらくは戦えるよ」
「……構造的に磨耗が激しいので定期的に手をいれないといけませんね」
「世話になるね。細かいチェックだけでも自分でできるようにしとくよ」
AMCマント(Anti Magic Coating Mantle)を天蓋のように広げる。
細かく青く輝く星空がその中に内包されているようだった。