六日目 日記
本当に気持ちを残したいのなら、表現しないことだ。
救われもしない。誰かに残すこともできない。胸の奥で大切にするしかない。
それで消えてしまうような想いなら、その程度ということだ。
そして世の中はほとんどその程度のことでできている。
だがその程度のことが、僕らの胸を痛め続ける。
そして予感がやってくる。
決められた予定のように。
可能性の極大化。いつか来る、そのとき。
「僕はきみを助けたいだけなんだ」
「私は、あなたを救いたいだけなの」
こうして二人は報われずに、ただ、嵐の夜がやってくる。
<***>
「どうしたの?」
「なんでもないよ……月が綺麗だから眠れなくてね」
空には未だ嵐の予兆は視えていない。
彼女の頭を撫でながら空をあくまで眺める。
「ずっと一緒にいような」
「うん」
そうして僕はたまに守れない約束で小指を縛った。
ぼくを僕でいさせる為に。
救われもしない。誰かに残すこともできない。胸の奥で大切にするしかない。
それで消えてしまうような想いなら、その程度ということだ。
そして世の中はほとんどその程度のことでできている。
だがその程度のことが、僕らの胸を痛め続ける。
そして予感がやってくる。
決められた予定のように。
可能性の極大化。いつか来る、そのとき。
「僕はきみを助けたいだけなんだ」
「私は、あなたを救いたいだけなの」
こうして二人は報われずに、ただ、嵐の夜がやってくる。
<***>
「どうしたの?」
「なんでもないよ……月が綺麗だから眠れなくてね」
空には未だ嵐の予兆は視えていない。
彼女の頭を撫でながら空をあくまで眺める。
「ずっと一緒にいような」
「うん」
そうして僕はたまに守れない約束で小指を縛った。
ぼくを僕でいさせる為に。