突然の終章 -ネル-
その報せは不吉な予兆を伴って届けられた。
彼女の手に握られたのは短い一報の文字。
”森の瘴気が晴れた”と。
それは喜ぶべきことなのだろう。
これであの日から何があったのか、わかるかもしれない。
けれど……閉ざされていた以上の未知の事態も、在り得る。
期待は薄く、不安は強い。だが、この報せに抗う理由はない。
故郷の森に戻ろう。何を置いても。
なにを、おいても。
別れなんていつも突然のことで。
準備なんてたいしてできないんだけど。
それでも何かなんて思ったりして、結局なにも思いつかない。
ここでの旅が居心地よかったなんて。
思い返すのは、もう心が決まっているから。
だからせめて気持ちよく、笑顔で。
「いつか。また、ね」
さよならは言わない。
彼女の手に握られたのは短い一報の文字。
”森の瘴気が晴れた”と。
それは喜ぶべきことなのだろう。
これであの日から何があったのか、わかるかもしれない。
けれど……閉ざされていた以上の未知の事態も、在り得る。
期待は薄く、不安は強い。だが、この報せに抗う理由はない。
故郷の森に戻ろう。何を置いても。
なにを、おいても。
別れなんていつも突然のことで。
準備なんてたいしてできないんだけど。
それでも何かなんて思ったりして、結局なにも思いつかない。
ここでの旅が居心地よかったなんて。
思い返すのは、もう心が決まっているから。
だからせめて気持ちよく、笑顔で。
「いつか。また、ね」
さよならは言わない。
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突然の終章 -チャンディー-
彼女はいつのまにか消えていた。
どこかの街中で彼女の姿を見たものが居たという人が居た。
だがその目撃者も不運な事故で亡くなった。
その後の彼女の足跡は探れなかった。
思い返せば、そんな娘は居ないって。
みんな、そんなことを言っていた。
時が経てば更に曖昧に。
少女のことは忘れられて。
それでも、まだキミがその娘のことを覚えているなら。
気をつけたほうがいい。次に消えるのは君かもしれない。
どこかの街中で彼女の姿を見たものが居たという人が居た。
だがその目撃者も不運な事故で亡くなった。
その後の彼女の足跡は探れなかった。
思い返せば、そんな娘は居ないって。
みんな、そんなことを言っていた。
時が経てば更に曖昧に。
少女のことは忘れられて。
それでも、まだキミがその娘のことを覚えているなら。
気をつけたほうがいい。次に消えるのは君かもしれない。